2012年12月17日

巡りあわせ


今日はいろんな偶然があった。

もともとレクチャーを聴きに行く予定だったのだけど、その前に吉祥寺でお昼ごはんを食べに行くことにした。

***

目指していたごはん屋さんはちょっとややこしいところにあるらしく、駅から高架沿いをけっこう歩いた。と、ふと「ダンケ」という喫茶店が目に入った。看板に「バターブレンド」って書いてある。なんか見覚えある、と思ったら、心斎橋にあるバターブレンドコーヒー「ダンケ」と同じ店みたいだった。

心斎橋のお店はずっと前に友達に連れていってもらったことがあって、もともとは神戸のお店らしく、そこで食べたチーズケーキとコーヒーの相性が最高だったのでよく覚えている。聞いたら、そこで出しているコーヒーに合わせて作ってもらっているいるケーキなのだそう。白いチーズケーキが真っ赤なお皿に乗って出てきたのも記憶に残っている。

それから、注文したコーヒーとケーキが来て、テーブルの上に伝票が置かれたとき、そこにこんな言葉が書かれていてとても綺麗だと思ったんだ。

いつの日か
この珈琲の香りが
記憶の糸口とならんことを
たとえほろ苦くとも
生きた証として

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やっとのことでごはん屋さんにたどり着くと、どうやら同じ系列のお料理教室に行ってしまったようで。
引き返して無事お昼を食べられたのだけど、だいぶ遅くなってしまったので予定を変更してお散歩することにした。

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ふらふらっと井の頭公園まで来ると、雑貨やら手芸やら手作りのものを売っているお店がいくつか出ていた。
前にも井の頭公園に出ていたお店でピアスとネックレスを買ったことがあって、偶然にも今日、その時に買ったピアスをしていた。そんなことを思い出しながら池の周りをぐるぐる歩いていると、前買ったお店を発見!わぁ、と思ってお姉さんにピアスを見せた。

お姉さんは「里子に出した子に再会したみたい!」と喜んでくれた。「その子、どんな服とも合わせやすいでしょう?」って。

で、今日も一組ピアスを買った。

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またしばらく歩いて、吉祥寺の商店街まで来た。アーケードに並ぶいろんな店を見ながら歩いていると、突然思い出した。10年ほど前に大学受験で東京へ来た時に、このあたりのレストランで食べたラザニアがめちゃくちゃ美味しかったんだ。

母が受験についてきてくれて、吉祥寺の近くに親戚がいたのでたまたま吉祥寺に寄ったのだと思う。階段で二階に上がっていくような入口で、レストランの名前はジャルダン(実際には「ダルジャン」だった^^;)。フライパンの上に乗って出てきたラザニアの中に薄く切ったリンゴが入っていて、お肉とトマトに混じって甘いリンゴの味がするのがとても新鮮だった。昔からあるお店、という感じの雰囲気のよいレストランではあったけど、流行っているのかどうかも分からない、何しろ私たちはたまたま東京に出てきて、その時腹ごしらえをするだけだったので、「わぁ美味しいな」とは思ったけどもう二度と来ることはないだろうと思っていた。でもアーケードを進むにつれ、その記憶がこの辺のどこかだっていう感覚がみるみる確信に変わってきて。

お店は案外あっさり見つかった。アーケードの入り口付近、やっぱり階段で二階に上がっていくようになっていた。
わぁ~って懐かしさがこみあげた。東京へ引っ越してきて吉祥寺は何度か来たのに、どうしてこの場所に今までたどりつかなかったんだろう。

***

で、またしばらく歩くと、ふいにgentenの直営店を発見。

5年前、働き始めて初めて自分に買った鞄がgentenのものだった。すっごくシンプルなやつなんだけど使うほどに馴染んできて、とっても気に入っている鞄。でもクリームが無くなってからちょっとお手入れをさぼってしまっていて、「お店に持っていかなきゃ…」と思いながら何ヶ月も経っていた。その店が突然現れたのでびっくりしてしまって。それに、私は今日その鞄を持ってきていたのだ。

お手入れをしてもらって、クリームもちゃんと買って帰った。

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お昼ごはんのお店へ行くのに道を間違えていなかったら、コーヒー屋のことは思い出さなかったかもしれない。
予定を変更せずにレクチャーを聴きに行っていたら、井の頭公園にも行かなかったし、ピアスのお姉さんに会っていなかったかもしれない。
アーケードを通らなければ、ラザニアのことを思い出さなかっただろうし、革の鞄のお手入れもできなかったかもしれない。

毎日いろんなものを見て、聞いて、人と話して、その体験はその場では消えていくけれど、何かの拍子にまた自分の前に現れるんだろうな。それは気まぐれに一本違う道路を歩いていたから気付けたような巡りあわせかもしれない。また巡りあったから幸せというものでもないかもしれない。

でも、今日は偶然が重なりすぎて。「たまたまあそこを通ったから思い出した…」というのはあるにしても、今日このピアスとこの鞄で来ていたことを思うと、今朝、家を出る前からこんな贈り物が待っていたのかなぁ、という気がした。

こんなふうに不意に懐かしさに出会う一日もいいな、と思った。

2012年11月21日

昨日の夢


昨日見た夢をそのまま綴ります。

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変なシェアハウスに住んでいる。

最初はそこがシェアハウスだと知らなかった。キッチンとバスルーム、リビングとあと鍵のついた一部屋とがあって、わたしはそこをずっと独り暮らし用のマンションだと思っていた。でも暮らし始めて半年くらいして、アパートの一番奥に備え付けの梯子みたいなものがあることに気付いた。ちょうどロフトに上がる簡易梯子のような。あるときそこを上ってみると、屋根裏、というには綺麗すぎる、踊り場のようなところに出た。その踊り場には他の居住区からも梯子をたどって上がってこられるようになっていて、どうやら私の住むユニットは私含め3つの居住区があるようだった。私は真ん中。私の左隣には父が暮らしており、私の右隣には中国人の女の子二人が住んでいた。

ほぼ独り暮らし、でも梯子をつたって他の人の住む空間にも行ける。変な構造の家だ。

で、その共用の踊り場からはまた違う建物につながっているようだった。こぎれいな何かの研修所兼宿泊所のような感じ。たぶん学校とか公民館とかの大きな階段の踊り場と、寝泊まりする場所である「おうち」の感覚が混じって、私の頭の中でそういう像が形成されたのかな。「青年の家」みたいな感じの建物。

私はある朝、目を覚ます。場面は自分のおうちじゃなくて青年の家のほうだった。窓の外を見ると岩場になっている海岸で、20人ほどの猿人が群れになって海岸を横切っている。「変な種族がやってきた!」と恐怖に襲われる。

私たちは何日か集団生活というかキャンプ生活を送っているみたい。屋外のイベントステージのように屋根だけある吹きさらしの広場で、夜にみんなでご飯を食べたあと、運動場のようなところを横切ってそれぞれ自分の寝床に帰っていく。のだけど、その途中でキリンとかサルとかあれはなんだった、アヒルとか、とにかくありとあらゆる動物が横切っていく。ちょっと怖い。

周りの人に聞くと、このリアルに見える動物はすべて作りものなのだという。香港のテーマパーク"Noah's Ark"に、ノアの方舟に乗った動物たちの大きな像が作ってあるけど、そんな感じで動物が大移動しているような光景だった。
周りの人に聞くと、これらの動物はお金を払って買う(飼う?)ことができて、そうするとそのお金は環境保護団体に募金されるのだとか。仕組みも、意義も、ちょっと分からない。とするとさっきの猿人も人形?あれは何のために?

気付いたら猿人に追いかけられる。私は青年の家の中を駆け回って、一旦外に出て、また小さな小屋のようなところに逃げ込む。逃げ込むんだけど、一人の男の子が私の後ろに着いてきているのを私は知っていて、彼についてはなんだかわくわくした感情を持っている。小屋の中はジャングルジムみたいになっていて、私は出来るだけ猿人から逃れようとそれを登る。登るにつれて狭くなって、天井に近くなって、死角のような位置までやってくると、そこで後ろから着いてきていた男の子と、お互い分かっていたかのようにキスする。

その相手はなぜか高校時代のクラスメイトだ。特に仲が良かったわけでもない子なのにちょっと不思議。でも姿はその子でも、彼の中に投影されている人物はまた違う人だってことが夢の中にいながら分かっている。キスしたあとその子は「うーん、なんか違うね」と言う。私は少し残念に思う。でもそのせりふは、私がかつて他の人に言ったことがあるものだ。

なんだかすっきりしない気分のところで、目が覚めた。そこまで。
オチはありません。夢だから。

2012年9月2日

引越し

実家を出て新たな土地での生活が始まった。
早くこの土地に慣れたいと思って、周りを歩きまわったり、
その辺のお店に入っては引っ越してきたばかりというのを話題に自己紹介をしたり。
近くのおにぎり屋のおばちゃんに「どこから来たの?独り住まい?偉いわねぇ」
と聞いてもらえると、ここに独り暮らしの人なんてごまんといるだろうに、
なんだか嬉しくなってしまって、そんなエゴを自分でくすぐりながら数日過ごした。

***

独り暮らしは初めてじゃない。大学生のとき、二年間独り暮らしをしたことがある。
希望していた大学に落ちて不本意ながら行くことになった学校、
それも入学式の一週間前に決まったので選べるような物件も残っておらず、
「コンロは二口がいいです」というと「大学生でそんな台所なんて贅沢だよ」
と不動産屋さんに言われて悔しい思いをしながら住み始めた記憶がある。
親に向ける顔もない、だけど生活費から何から、親に出してもらって住まないといけない、
恥ずかしくて恥ずかしくて逃げ出すように家を出たような感じだった。

部屋も、風呂もトイレも何もかもが実家のと比べて(当たり前なんだけど)ちゃっちくて、
こんなところに放りこまれるのか、とまるで悲劇の主人公みたいな気分になっていたな。
でも住み始めると不思議なもので、その牢屋みたいな部屋に戻ると
「あーおうちだ」と楽になったんだった。

幸い私は友人に恵まれて、大学ですぐにたくさん友達が出来たので
毎日飽きることなく過ごしたし、
狭い部屋でハンドミキサーやパイ皿など買い込んで、不自由ながらもお菓子作りをして楽しんだ。

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今回はその時よりもだいぶ広い部屋だし、コンロも二口あるし、
他のインテリアに選択の余地を与えないような黄緑色のブラインドもないし(笑)、
そろそろ家を出て自立したいと思っていたので、あまり迷いなく出てきた感じだけど、
引越に一緒に来てくれた両親が帰った瞬間、ほんのちょっぴり寂しくなった。

仕事で独り暮らししている友人はたくさんいるし、
近くにはいろんなお店があって人どおりもあるし。
なのになぜかそわそわしている自分がいる。

そう考えたら、大学生のころはあの田舎に、
周りに一人も知り合いがいない状態で独り暮らしを始めて、よく毎日過ごしていたなあ。
あのころの私のほうが強かったのかな。

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家を思い出す瞬間って予期していなかったときにやってくる。

トイレットペーパーって結構どんどん無くなるんだな、と思うと
「みんなどんどんトイレットペーパー使うんだから」と母がいつも言っていたことが分かった。
備品を買っていてくれたのは全部母だったんだな。

買ったばかりのバスタオルの新鮮な匂いが妙に安心できないのも不思議だった。
使い古してバリバリになるまでバスタオルを新調しないのにぶつぶつ言っていたけど、
そのバリバリ感がなぜか懐かしいって思ってしまう。

引っ越して、一通りのものを揃えに母と近くのスーパーに行った時、
「お味噌、だしが入っているものとかチューブのは楽やけど、あんたには普通のがいいかな」とか
「塩こしょうが一緒になってるやつが便利やけど、あんたはちゃんと別々に買いたいかな」とか
私が妙なところでこだわりが強いのを知っていて、母は遠慮がちに薦めてくる。
母が私に気を遣っているのが手に取るように見えて、それと同時に
私は母にこんなに気を遣わせてきたのか、とちょっと申し訳なくなった。
独りになってもう少し経ったら、母のことがもっと分かるようになるのかもしれない。

周りのこともそうだけど、自分の実家のこと、自分の癖、
そして何よりも母のことがよく分かるようになる、不思議な発見の連続だ。

2012年5月6日

すべては役目を終えて

大切にしていたブーツが役目を終えました。


先日、お気に入りのブーツを履いて花壇の脇を抜けようとしたときに、花壇の角にふくらはぎをぶつけてしまいました。ガツンともバリンとも違う鈍い音がして、その時は何ともないと思っていたのですが、しばらくして見てみるとふくらはぎの筒のところが上から3センチほど、見事に裂けていました。

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大学生になった年に生まれて初めて買ったブーツでした。

当時の私はまだブーツを一足も持っておらず、よそいきでも運動靴でもない中途半端な靴を履き、変な格好ばかりしていました。にもかかわらず、「本革で、他に無いようなデザインのものに出会うまでは買わない」と変に頑なになっていて、「一足あると便利だし女の子らしくなるから、安いのでもなんでもいいから買いなさいよ」という母の助言を拒み続けていました。

それだけブーツへの羨望はあったのですが、秋口になるとデパートの売り場に何百何千と並ぶブーツを見るとそれだけで酔ってしまって、「このなかから一番を探さなきゃ」という妙な強迫観念を自ら駆り立てては気分が悪くなっていました。最後は「試着が面倒くさいし」という単純な思考に陥って、結局お気に入りを探しだせず。思いが強すぎて動けない癖は今も変わりません(笑)

友達と一緒にふと寄った京都駅の伊勢丹で今のブーツを見つけたとき、これ試着してみて、と薦めてくれたのは友達のほうでした。最初は「面倒くさいな」としぶしぶ踵を入れてみました。ところが履いてみてびっくり!シルエットから色から、脇についている小さなバックルまで一瞬で気に入ってしまいました。「これだったんだ!」と思うと胸がすぅーっと落ち着く感じがしました。

それでも大きな買い物に躊躇した私は、母に見てもらうまでは、と、当時家族の住んでいた名古屋の店舗に在庫があることを確認してもらい、帰省するときを待って買ったのでした。

買ったのは2003年の暮れだったので丸8年。最初は私の脚になかなか合ってくれず、靴ずれして歩けなくなることもありました。でも履けば履くほど馴染んできて、最後はすっかり自分の脚の一部のようになりました。朝はその日の天気を確認してから履き、思いがけず外出先で雨が降ったときは急いで帰って乾かしました。何度底を張り替えたことか、抱え込んで磨いたことか。

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きちんと手入れしていなかったために革の表面がはげたり、かすった傷がいつのまにか深くなったりして捨てるのだったら、後悔したかもしれません。でもこのブーツにはそういう経験をさせたくないと最初から感じていました。だから手をかけ、手をかけ。すると最後、こんなに鮮やかに裂けて終わるとは!大事にしていたブーツは散り際も立派で、もう何の未練もなく手放すことにしました。

今年の冬は新しいブーツを買うことになるのかな、と考えると、今から期待と不安の入り混じった気持ちになります。あんな素晴らしいブーツに出会えるのだろうか、あれだけの愛情をかけられるのだろうか・・・。でも人との間にも出会いと別れがあるように、モノとも出会ったら、別れなくてはいけないのだろうな。中学生のころ、大事な器だといって綺麗な焼き物を学校に持ってきてくれた国語の先生に向かって「それ、俺が割ったらどうする?」とふざけた生徒に対して先生が言った言葉が忘れられません。「形あるものはいつか無くなります。もし今日割れてしまったら、それでも構いません」。

役目が終わったブーツは喜んで見送って、これから出会うブーツを楽しみに待ちたいと思います。

2012年4月8日

TEDxKyotoChangeに参加しました。

TEDxKyotoChangeに参加しました。

TEDとは米国の非営利団体により開催されているカンファレンスで、"Ideas Worth Spreading"という価値観のもと、世界各国、各分野でイノベーションを起こしている人たちが登壇し、それぞれ18分以内で講演を行うというものです。各講演はオンラインでも配信されており、世界の様々な問題について皆で議論をしていこうという活動をしているイベントです。

そのTEDの価値観をもとにしながら、世界各都市で個別に開催されているイベントがTEDxと呼ばれ、各イベントの独自性を活かしつつその土地ならではのディスカッションを生み出す場になればということで開催されているようです。そのTEDxが2012年9月16日、京都でTEDxKyotoとして開催されます。

また一方で、TEDがビル&メリンダ・ゲイツ財団(Bill & Melinda Gates Foundation)と共同でスタートしたTEDxChangeというプロジェクトがあり、そこでは「ワクチン、ポリオ、マラリア、HIV/AIDS、妊産婦・新生児・乳幼児の保健、そして農業開発などといった世界的な福祉/環境問題」に絞ったトピックが議論されるそうです。

2012年、TEDxChangeは4月5日にベルリンで開かれたのですが、その様子を視聴する場として、またさらに9月に行われるTEDxKyotoのプレイベントとして、4月7日(土)、TEDxKyotoChangeが開催され、私も今回参加してきました。

完全招待制、参加には審査があるとのことで、自分が普段行っていること、今の社会で「変えたい」と思っていること等をフォームに入力して参加申請をしました。

当日はベルリンでのイベントをスクリーンで視聴したあと、ローカルのスピーカー三人の方の講演がありました。

どの講演も素晴らしいものでしたが、中でも印象的だったのは助産師の左古かず子さんの講演でした。助産師として働く中、妊婦さんたちが皆同じ方法で、分娩の時間をコントロールするための薬品が当然のように使われながらお産を迎えることに心を痛め、ご自身で助産院を開かれたそうです。人が生き方を選択するように、分娩の方法も、場所も、人も、妊婦さんが選択できるはずだとおっしゃっていました。赤ちゃんにはみな生まれてくる力があり、お母さんにもみな産む力がある、その自然の力と向き合ったお産という考え方が印象的でした。また、赤ちゃんはみな命がけで生まれてくる、だからお母さんもそれをしっかり受け止めてほしいというお話が心に残りました。

以前から社会問題、国際協力や開発に興味があって、講演会やワークショップがあれば出かけていたのですが、では自分は何をしたいのか、自分に何ができるのかが見えず悶々としていました。でも今日の話を聞いて、ひとつのキーワードが浮かんできました。それは「アクセス」。私たちはみな同じ地球上に住んでいるけれど、手にすることのできる食料、サービス、情報は全く違う。こういう選択ができたはずなのに、何らかの理由でそれが叶わない、それによって命が脅かされていたり自由に人生を選択できないとしたら?そういうことを改善することに私は興味があるのかなと。1を10や100にするよりも、0を1にすることに。でも以前、インドのカースト制の話で「生まれによって教育の機会が均等に与えられていないのはおかしいと思う」と友人に話したところ、それに疑問を唱えた友人と議論になったことがありました。平等の定義も文化によって異なるかもしれないし、何をもって「皆に公平なアクセスがある状態」なのかは一概には言えないかもしれません。

ですがこの悶々ももう少しで見えてきそうです。

講演の後はアフターパーティがあり、様々な職業の方、スタッフの方たちとも話すことが出来て、私も自分に出来ることをしなければと奮い立たせられました。
TEDは好きなので、イベント自体にももっと積極的に関われたらなあ!

おまけ:
オーストラリアにいた頃、「○○町××丁目」ではなく「○○通り××番地」というように「通り」がメインで住所の表記がされており、日本との見方の違いにずいぶん驚きましたが、それと全く同じことを話しているスピーチをTEDで発見しました。異文化理解について簡潔にまとめている、素晴らしいスピーチだと思います。
Derek Sivers: Weird, or just different?

2012年3月20日

チョコレートとマカダミアナッツのクッキー、バナナブレッド、プルーンの紅茶煮タルト

新しいお菓子の本を買ったのでいろいろ作ってみました。 


最初はチョコレートとマカダミアナッツのクッキー。
レシピではウォールナッツを使っていたのですが、ウォールナッツが見つからなかったのでマカダミアナッツで作りました。クッキーはほとんど作ったことがなかったのですが、とても簡単にできるのでびっくり!型抜きクッキーと違い、ドロップクッキーは生地を天板に落として焼くだけなので表情もひとつずつ違って、それも楽しむことができました。


チョコレートとマカダミアナッツのクッキー
次はバナナブレッドを作りました。バター、卵、砂糖に小麦粉と全粒粉の生地につぶしたバナナを加え、パンのように軽くこねてから天板に伸ばしてそのまま焼きます。

バナナブレッド
うーんこれはまだまだ改良が必要でした。そもそもバナナブレッドがどういうものかちゃんと分かっていませんでした。マフィンのような生地を期待すればいいのか、それともこれはビスコッティのようなものなのか・・・。小麦粉の量に対してベーキングパウダーがとても少なかったので重たい生地になりそうではあったのですが、それにしても生地が硬くなりすぎてしまいました。また、きつね色になるまで焼いた後、取り出して粗熱をとり、スライスしてさらに数分焼くのですが、それが何のためかよく分かりません。切り口が香ばしいほうがいいのかな?でもしっとりしているほうが私は好きなんだけど・・・。ということでまだまだ発展しなければ!

最後はプルーンの紅茶煮タルトを作りました。
ドライフルーツを普段あまり食べませんが、甘く煮たプルーンはタルトにぴったりでした。

プルーンの紅茶煮タルト
アールグレイを使用すると書いてあったのにそれを見過ごして普通の家庭用の紅茶で煮てしまいました。アールグレイで煮たらもっとすっきり、締まった味になるのかな?こちらもまた何度か作ってみたいです。


***


チョコレートクッキー、バナナブレッドを参考にしたのはこの本です。

Cookie Jar Classics



2012年3月4日

2012 香港旅行 #2 omy artでのペインティング


ご飯を食べて22時ごろ、Graceと私は彼女の友人がやっている、omy artというアート・スタジオにやってきました。オフィスビルの一室ですが、フロアを斜めに横切るようにキャビネットと受付が備えてあったり、巨大な埋込型の本棚があったりと、アートっぽいおしゃれな空間でした。

中に入ると5人の男の子たちが話し合ったり、作業をしたりしていました。彼らはデザインだったり、建築だったりの専門を持っていて、日中はフルタイムで仕事をしているのですが、自分たちでもスタジオを持ち、こうして夜に集まって仕事をしているのだそうです。仲間と一緒に夢を実現させていく、いいエネルギーに溢れる人たちでした。企業から委託されて制作をしたり、ブランドのマーケティングをしたりする傍ら、絵の教室もやっているのだそうです。

窓際に腰掛けて、みんなでイーゼルを並べて絵を描けるようになっています。

受付のテーブルがワイヤーで持ち上がるデザインに。本当に持ち上がるかは・・・!?
アクリル絵の具のディスペンサー。見ているだけで可愛い!

キャンバスの大きさを選んで、描きたいもの、イメージを伝えると、Sensei(私が彼のことをそう呼び続けたので笑)がそれを絵にするのを手伝ってくれました。

イメージをSenseiに伝えます。こだわりだしたら抜け出せない私の性格が暴走し始め・・・!
アイデアが浮かばない時はiPadで関連画像を探し出して、イメージを膨らませる手助けをしてくれます。気軽な気持ちでアートに取り組めるような工夫がちりばめられていました。

Sensei
  


コンセプトを考えるのと下描きで一時間くらい使ってしまったと思います!ここから色を付けていきます。



空の塗り方、雲の描き方もSenseiが丁寧に教えてくださいました~。

船と荒れ狂う波。
実は海は火鍋の中にあるんです!

サインをして完成!
始めたのが夜遅くだったので、途中で眠たくなったり、思い通りにいかなくてやめたくなったりしました。でもみんなが手助けをしてくれたおかげで完成することができました。時すでに午前2時半。

かかっている音楽も心地よいものでした。日本人のゲストが来たということで日本の曲をたくさん探してかけてくれました。ZARDとか槇原敬之とかちょっと前の^^ Sensei含め5人のメンバーがいたのですが、私が下描きを始めてから彩色を終えるまでの数時間、誰も嫌な顔ひとつせず、ずっといい雰囲気を作ってくれました。

みんな翌朝仕事があるのに、いきなりやってきた私のために時間を割いてくれ、気遣ってくれて、とても幸せな時間でした。雰囲気は終始明るいものでしたが、私にとっては、心のもやもやを見える形に整理する、大きな旅路のような時間でした。違った意味でまた充実したひと時となりました。

「他の友達だったらここに連れて来なかった。明日香がこういうことが好きだって分かるから連れてきたよ。描き終わったときの達成感を感じるのも好きでしょう?」Graceはそう言ってくれました。私がキャンバス代を払うのをすっかり忘れてしまっていて、後になってGraceに話した時も、彼女はこう言ってくれました。「これは私のプレゼントだから気にしないで。私がいいと思うものを明日香にあげたかったの。それはお金で買えるものだったかもしれないし、買えないものだったかもしれない。でもたまたま、お金で買えるものだったとしても、その値段がプレゼントの価値じゃないから。」彼女はよくそうやって、他愛ない会話の中で重く温かい言葉を私に残します。

Thank you all, Sensei, Max, Kobo, Alex, Fish...
And my dearest Grace Grace!


みんなありがとう!!

2012 香港旅行 #1 マカオバーガー~ノアの方舟

ほんの数日間、香港に旅行に行ってきました。

美味しいもの+懐かしい知り合いに会う旅でした。

ひとりめは数年前メルボルンに遊びに行ったときに知り合った、ももこさんという女性です。出会ったとき彼女はメルボルンに住んでいましたが、その後オーストラリアと日本を行き来し、日本に帰国されたときにも一度お会いしました。しばらく前に連絡をしたところ、一年前から香港に住んでいるというので時間を作ってもらって一緒にお昼ご飯を食べました。

マカオ喫茶に入りマカオのハンバーガーをいただきました!フランスパンのような硬いパンの中に白身魚のフライが挟んであります。これがとんかつだったりもするそうです。タマゴサラダを添えていただきました。

ソースも何も無いのに、アツアツの白身魚のシンプルな味だけでとっても美味しかった!
お待ちかねのエッグタルト~。さくっとパイを頬張る瞬間がたまりません。


ひとりで仕事をしながら世界中どこへでも飛びまわる、ももこさんはとってもかっこいい女性です。勢いよく行動して、時には失敗も経験して、わあって落ち込んだり、また這い上がって喜んだり。私はそこまでの大胆な経験が無いけれど、彼女の話を聞いているとわくわくして、楽しい時間を過ごしました。


その後、オーストラリアに留学していたときに同じ寮に住んでいたGraceという女の子に会いに行きました。彼女とは寮のオリエンテーションの日に知り合い、寮に帰ると毎日顔を合わせていた仲のよい友達のひとりです。学部も、クラブやサークルなんかも違うのですが、寮のイベントで一緒に踊ったり、よく一緒に遊びにいったりしました。ここというときに考えていることがすっと通じ合う、大切な友人のひとりです。

前に会ってからかれこれ3年弱ぶり。彼女は今は香港に戻って働いています。

ホテルで待ち合わせたあと、Noah's Ark Hong Kongというノアの方舟をテーマにしたリゾート施設に遊びに行きました。フェリーで20分程の距離でしたが、シティとは違って都会から抜け出したような心地よい公園でした。

フェリーを降りると海沿いが閑静な公園になっていて、ホリデーハウスのようなマンションが建ち並んでいます。

冬の海には人が少なくて、のんびりするにはちょうど良い日でした。
ノアの方舟の大きなレプリカがあり、その中にレストラン、ホテル、会議場などがあります。その他にも聖書の紹介に始まり、現代の環境問題などに関する内容まで展示があったり、シアターがあったりと、パーク内の施設を体験しながら過ごしました。


3年弱ぶりということでどこから始めればよいのか、話したい話が積もり積もっていました。仕事の話、仕事以外のライフワークの話、恋愛の話・・・。ひととおり話し終えると、会っていない期間にそれぞれいろんなことがあったんだなと振り返ると同時に、それでもそれぞれの好きなものが変わっていないこと、またお互いが会わなくても友達でいられる理由が分かるような感覚になりました。すると彼女も、こんな話をしてくれました。

彼女の友人に、歳の離れた異性の友人がいるそうです。知り合ったのは10年ほど前、学生の国際カンファレンスでだそうです。年齢も違う、住んでいる国も違う、数年に一度会えるかどうかという間がらですが、彼女は人生の重要な部分で彼に相談し、彼は数年来にわたって彼女のよきアドバイザーなのだそうです。

普段顔を合わさない、年齢も性別も職業も、生きている世界も違う、でも自分の人生に必要なエッセンスを与えてくれる友人というのは時空を超えて存在する、と彼女は言いました。そして、その友人は明日香ときっと気が合うと思うと言ってくれました。私のことを思い浮かべると、その友人のことを思い出すんだそうです。彼女がそうやって私のことも時折思い出してくれていたのかと思うと、それもとても幸せな気持ちでした。

シティに戻り、夜ごはんを食べました。路地を入った屋台が並ぶ通りの中のある食堂へ。

手前は牡蠣と卵のフライ。スイートチリのソースが美味しかった。奥はマテ貝の炒め物。
蛙とウナギの火鍋ごはん。たれが美味しかった。
私たちが食べていると隣に座った観光客らしき家族が私たちの皿を覗き込んできて指さしながら注文を(笑)。話をしていると彼らはマレーシアから旅行に来ていて、このあとマカオに行くとのことでした。私が一昨年マレーシアに旅行に行った話をすると、彼らも東京に桜を見に来たことがあるらしく、日本の感想は「もうちょっと英語が通じたらずっと旅行しやすいのに!でもみんな親切にしてくれた」とのことでした。どこへ行っても英語のことを言われる。悔しい~。

さて。
Graceがこの後、連れていきたい場所があるというので一緒に行くことにしました。彼女の友人がアート・スタジオを持っていて、絵の教室をやっているのだそうです。そこで記念に絵を描いて行かないかと。絵?絵を一枚描くの?と話半分に聞いていましたが、これが忘れられない思い出になることになったのです。。



2012年2月5日

誕生日パーティー



生まれて初めて自分で誕生日パーティーをしました。

きっかけは本当に偶然な発見からでした。
同じ先生に中国語を習っていて、一緒に英会話の会をしているduduさんというとても素敵な知り合いがいるのですが、ひょんなことから誕生日の話になり、彼女と誕生日が同じだということが発覚。
「よかったら一緒に誕生日パーティーをしませんか?」と声をかけたところ、さくさくとあっという間に予定が進んで、20人ほどに来ていただける素敵なパーティーとなったのでした。

とにかく手作りのパーティーにしたいな、という気持ちはあったのですが、特にイメージが固まっているわけではありませんでした。でも私が声をかけると、彼女はすぐにあるコラボカフェを教えてくれました。場所だけ提供している貸しカフェで、予約をすれば自分で一日カフェが開けたり、パーティー会場として利用できます。スペースだけ借りてホームパーティーができるようなところでした。



お料理は私の知り合いでフードコーディネーターをしている方にお願いしました。彼女は東京に住んでいるのですが、私が誕生日パーティーのプロデュースをお願いするとすぐに快諾してくれ、当日は前の日から下ごしらえをしたお料理をスーツケースに入れて駆けつけてくれました。招待状はグラフィックデザインをしている同僚にお願いをし、デザートはduduさんの知り合いが作ってくれ、また当日の配膳をしますよと声をあげてくれる人もいて、たくさんの人に支えていただきパーティーを開くことができました。
同僚に作ってもらった招待状です~。
招待状のお花は「女性らしさ」「華やかな雰囲気」を表しているそうです。それも私たちが中国語に夢中になっているということで中国の国花であるボタンを選んでくださいました。柄の牡丹唐草は日本の伝統模様ということで、日中の融合という意味が込められているそうです。唐草部分の色は私の好きな青緑にしていただきました。

背景の直線は、duduさんと私の、目標に向かって日々頑張っているまっすぐな姿勢(照れます~)を表しているそうです。duduさんは陰陽五行の世界に興味を持っているので、その世界観を五色の色(青、赤、黄、白、黒)で表現してくださったということです。

デザインの裏にある意味を聞いて感動もひとしおでした!


さて、お料理です。



メニューはこちら。


  • 海老のビスク
  • 豚の角煮
  • 生春巻き
  • さつまいもとクリームチーズの茶巾
  • バゲット
  • ミニトマトはちみつレモン漬け
  • フェタチーズのサラダ
  • サーモンパン粉焼き
  • 12品目のヘルシーサラダ
  • きのこリゾット七草添え
お料理を作ってくれた知り合いですが、私がいつも彼女のお料理ブログでさつまいも料理の時に美味しそう美味しそうとコメントを残していたようで(笑)、私の好きなさつまいもを使ったメニューを入れてくださいました。また山羊座生まれということでヤギのチーズであるフェタチーズを使ったサラダを作ってくださったり(フェタチーズも大好物なのでした!)、1月7日七草粥の日ということでリゾットに七草を添えてくださったりと、こちらもひとつひとつのメニューにストーリーが添えられていてとても嬉しかったです。

フェタチーズのサラダ。クスクスが入っています。

12品目のヘルシーサラダ。まろやかな黒酢にクコの実、グレープフルーツがアクセントになりとっても美味しかったです。

とっても可愛いショートケーキとフルーツタルトを用意していただきました!
お礼のカードも手作りしました。

スノーボールクッキーに添えてお土産にしました~。

最初は気軽な気持ちで誕生日パーティーやりましょう、とduduさんに声を掛けたのですが、その一言が発端となって、色んな強みを持った人たちがそれぞれの場所でサポートしてくださり、次から次へといろんなことが決まっていきました。それはそれは不思議な、心地よい感覚でした。

一ヶ月間という短い期間の中、しかも年末年始を挟んだばたばたの準備期間でした。とんでもない勘違いでスケジュールがひっくり返りそうになったこともあれば、お手伝いをしてくださった方たちに迷惑をかけたこともたくさんありました。でも終わったあと、来てくださった人から「幸せな気持ちになりました」という言葉ももらって、私自身もとても幸せな誕生日となりました。お越しくださった皆さま、本当にありがとうございました。


2012年1月15日

答えは自分の中に



備忘録を兼ねて。
英語の勉強会を通じてお知り合いになったある素敵な女性とお茶をしました。
話の端々に、今の私にとってのヒントがあったので書き残しておこうと思います。


天命について
  • 得る前に手放さなければならない。手放すことを迷っている時には、新しいものは入ってこない。
  • 「わくわく」は自分の中にある。それは化石を掘り出すのと一緒で、刷毛で綺麗に拭っていくとそこに現れるもの。それは自分の感情で決めるというよりも天命である。
  • 迷っているのは、違うから。それは取るべき選択肢ではない。
  • 自分の感情に常に注意を払っていること。どんなときに嬉しいと感じるのか。何にわくわくするのか。
  • 自分が経験することが大事。
  • 「分からない」ということは悪いことではない。未来が分からないといって不安に思いがちだが、 未来はプラスでもマイナスでもなくゼロ。どちらになる可能性もある。
  • 自分の為にできる努力は有限。でも人の為には無限のことができる。


心と体について
  • 砂糖、お酒をやめると穏やかになる。単糖類はすぐに血液に吸収されるがまたすぐに戻り、感情の起伏を大きくする。
  • 食べるために飼育される家畜には、早く成長させるためにホルモン剤が使用されたり化学物質のたくさん入った飼料が与えられたりしている。それらの動物を食べるということは、それらの 動物の魂をいただくということ。 このような飼育を受けてきた動物の魂を自分は引き受けられるのか。